対象製品 : IJCAD 2013 ~ 2016
レイアウトを使用せず、モデル空間上で異なる尺度が混在するような作図を行う場合、寸法スタイルで寸法の計測尺度を1.0 以外に設定して使用することがあります。
この際、寸法尺度に 1/3(0.333...) のような割り切れない尺度を設定した場合に、作図単位の設定と表示精度による繰り上げ処理の関連から、意図した寸法と異なる寸法値が表示されることがあります。
設定内容の例
寸法スタイルで、1/3 の計測尺度を指定したスタイルを作成。
尺度に 1/3 を入力。(倍率 0.333333333333333 の尺度が設定されます。)
この設定の状態で、寸法スタイルを他のスタイルに切り替えると、計測尺度が図面の作図単位の精度に準じた扱い(つまり、0.333333333333333 が、0.3333 になるなど)となり、計測値の丸めが発生するケースにおいて計測値の表示に誤差が生じることがあります。
対処方法:計測尺度 1/3 設定のケース
このような場合、次の方法で対処します。
- プロパティウィンドウを表示しておきます。
- 割り切れない尺度の寸法図形を選択します。(複数可)
- プロパティウィンドウの基本単位にある、長さの寸法尺度の欄から、1/3 と入力して Enter
上記の対処方法により、図形に対して作図単位の精度に影響されない精度で寸法尺度が設定され、丸めによる計測値の誤差が解消されます。
1:1, 1:3, 1:7 の計測尺度について対処前と対処後の表示例
緑色の寸法:1:3,1:7 の寸法に誤差が生じている状態
水色の寸法:対処方法の設定で更新した状態