対象製品: IJCAD Pro グレード、IJCAD Arch+、IJCAD Mechanical
IJCAD で、(断面)二次モーメントを求める場合は、オブジェクトの形状に応じて以下の手順で行います。
尚、「IJCAD Mechanical +」製品では断面2次モーメントを求める為のコマンドが実装されているため、
より簡単に断面2次モーメントを求めることが可能です。
参考:【Mechanical+】断面2次モーメントが実行できない時の対処法
形鋼など、中身が空洞でないオブジェクトの場合
- 形状のリージョン図形を作成する。(使用するコマンド:リージョン、または境界作成)
- ユーザ座標系の原点を、図心などの二次モーメントの算出基点に設定します。
(使用するコマンド:UCS)
* リージョンの図心はOスナップの図心オプションで指示できます。 - マスプロパティ(_massprop)コマンドを実行して、作成したリージョンを選択して[Enter]。
- 下にあるサンプルのようなマスプロパティ情報がコマンドウィンドウに表示されます。
- 表示されたマスプロパティ情報をファイルとして保存したい場合は、
"マス プロパティをファイルに書き出しますか? [はい(Y)/いいえ(N)]<いいえ>:"
の設問に対して Y[Enter] を指示して任意のフォルダと名前で保存します。
マスプロパティ情報の「重心についての主慣性モーメントおよび X-Y 方向:」
"I" の値が(材料力学としての)二次モーメントとなります。
なお、マスプロパティ情報に表示される数値は、作図単位の長さ精度設定の影響を受けます。
高い精度が必要な場合は、作図単位(_Units)コマンドにて精度を変更してからマスプロパティコマンドを実行して下さい。
マスプロパティ情報のサンプル
---------------- リージョン ----------------
面積: 1184.93807017
周長: 376.26548246
境界ボックス: X: -25.0 -- 25.0
Y: -50.0 -- 50.0
図心: X: 0.0
Y: 0.0
慣性モーメント: X: 1874893.47841462
Y: 147862.43135899
慣性乗積: XY: 0.0
回転半径: X: 39.77777371
Y: 11.17071817
重心についての主慣性モーメントおよび X-Y 方向:
I: 1874893.47841462 [1.0 0.0] に沿って
J: 147862.43135899 [0.0 1.0] に沿って
下イメージでは、形鋼の情報を求めていますが、角度の違いによって慣性モーメント値が変化している事がわかります。
※ リージョンや、マスプロパティのコマンドは、PRO グレードのコマンドとなっているため、IJCAD の LT / STD グレード、PRO グレードベースでないソリューション製品ではご利用いただけません。
鋼管など、中身が空洞のオブジェクトの場合
- REGION コマンドを実行
- 外側の輪郭を選択しENTERキー押下
- REGION コマンドを実行
- 内側の輪郭を選択しENTERキー押下
- SUBTRACT コマンドを実行
- 外側のリージョンを選択してENTERキー押下
- 内側のリージョンを選択してENTERキー押下
- UCS コマンドを実行
- リージョンの図心を選択してENTERキー押下
- MASSPROP コマンドを実行
- リージョンを選択
- 「形鋼など、中身が空洞でないオブジェクトの場合」にあるサンプルと同様のマスプロパティ情報がコマンドウィンドウに表示されます。
- 表示されたマスプロパティ情報をファイルとして保存したい場合は、
"マス プロパティをファイルに書き出しますか? [はい(Y)/いいえ(N)]<いいえ>:"
の設問に対して Y[Enter] を指示して任意のフォルダと名前で保存します。 - マスプロパティ情報の「重心についての主慣性モーメントおよび X-Y 方向:」
"I" の値が(材料力学としての)二次モーメントとなります。