対象製品 : IJCAD 2014 以降
停電、コンピュータのハードウェア障害、ソフトウェアの問題などが原因で、IJCAD プログラムが異常終了することがあります。IJCAD では、このようなケースに対してデータを復元するための機構が備わっています。
この記事では、このような場合に開いていた図面ファイルを復元する方法について解説します。
復元に使用されるファイルについて
- 修復ファイル: プログラムの障害により、異常終了した場合、現在の作業内容が別のファイルに保存されます。このファイルは、"図面ファイル名_recover.dwg" という名前で通常は図面ファイルと同じフォルダに保存されます。
- 自動保存(テンポラリ)ファイル:自動保存ファイルは、CAD を動作させていて一定時間立つと図面の一時ファイルとして作成されます。このファイルは、初期設定では、Windows のテンポラリフォルダに、"図面ファイル名.sv$" という拡張子が SV$ の名前で保存されます。また、このファイルは図面ファイルが正常に閉じられた場合はなくなります。
- バックアップファイル : バックアップファイルは、図面ファイルを保存した際に一つ前の状態のファイルが .bak ファイルとして作成されます。
異常終了後の復旧
プログラムやシステムが障害発生で異常終了すると、次回 IJCAD を起動したときに、[図面修復管理] が表示されます。
[図面修復管理] には、次のように開いていたすべての図面ファイルの一覧が表示されます。リストは新しい順に表示されています。
(予期しない障害が発生した時点で開いていた図面を保存していない場合、それらの図面は[図面修復管理]パレットには表示されません。作業を開始したあとは、定期的に作業内容を保存してご利用ください。)
図面修復管理から、図面ごとに次のファイルから選択して図面ファイルを開くことができます(存在する場合)。
- 図面ファイル名_recover.dwg
- 図面ファイル名_a_b_nnnn.sv$
- 図面ファイル名.dwg
- 図面ファイル名.bak
[バックアップ ファイル] 領域にリストされている最上位の図面ファイルノードを右クリックするとショートカット メニューが表示され、「すべての図面を開く」をクリックするとノード下のすべての図面を開きます。それぞれのファイルをダブルクリックすると個別にファイルを開きます。
図面ファイルが開けた場合は、内容を確認してから必要なファイルを改めて「名前をつけて保存」(_saveas)から保存直してください。
なお、復元用の図面ファイルが開けない状態であった場合、次のようなメッセージが表示されます。
ここで 「はい」 をクリックすると、修復コマンドによる復元を試みます。
「はい」による修復コマンドで、復元できなかった場合、次のようなメッセージが表示されます。
このメッセージが表示された図面ファイルは、復元が出来ない状態のファイルです。
この場合は、この図面ファイルからの復元は諦め、別のファイルから復元できるかどうか確認してください。
すべての図面の問題が解決する前に [図面修復管理] パレットを閉じた場合は、_DRAWINGRECOVERY [図面修復管理] コマンドを実行して [図面修復管理] パレットを開くことができます。
ファイルの復元が終わったら、図面ファイルノードを右クリックして「除去」をクリックすると、 [図面修復管理] パレットから削除されます。
なお、 [図面修復管理] パレットのバックアップファイルリストに表示されていなくても、SV$ や BAK のファイルが残っていることがあります。各ファイルの場所は次のとおりです。
- SV$のファイルは、 [図面修復管理] パレットの「図面ファイルの自動保存先フォルダを開く」からフォルダを開いて確認します。
- BAKファイルは、開いていた図面ファイルのフォルダを確認します。
ファイルがあった場合は、.SV$、.BAK それぞれのファイルの拡張子をDWGに変更してからファイルを開いてみることで、復元できることがあります。SV$ファイルは、異常終了後にもとの図面ファイルを再度開いてしまうと更新されてしまいます。更新されてしまった場合は、SV$からは復元できませんので、異常終了後は、図面ファイルのダブルクリックではなく、IJCAD のアプリケーションアイコンから起動することをおすすめします。
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